入浴剤を安心して使うには
浴槽、風呂釜への影響
1.浴槽への影響
日本で多く使われています浴槽の材質は、強化プラスチック(FRP)、ホーロー、ステンレス等ですが、その他にも木、タイル、大理石などがあります。市販されている入浴剤の大部分は、浴槽を傷めたり傷つけたりすることはありませんが、イオウ配合の入浴剤は金属を腐食させる恐れがありますので注意を要します。又FRPの一部や大理石の浴槽では、一度に多量の入浴剤を使用すると浴槽表面の光沢を失ってしまうものもありますので、商品の注意書きをよくお読みの上、使用法をお守りください。なお最近湯が濁るタイプの入浴剤が出回っていますが、このタイプの入浴剤を溶かした残り湯を長時間浴槽に入れておくと、浴槽の底やまわりが白くなることがあります。しかし浴槽には影響なく、風呂用洗剤等で洗い流すときれいになります。
2.風呂釜への影響
浴槽の湯を沸かす方式には、浴槽を下から直接加熱する方法、沸かした湯を蛇口から浴槽へ入れる方法(給湯式)、浴槽と風呂釜をパイプでつないで湯を循環させる方法(循環式)等がありますが、浴槽の湯が直接風呂釜やパイプと接触するのは循環式の場合です。循環式には自然循環方式とポンプによる強制循環方式とがあり、釜の材質には銅、アルミニウムが一般的に用いられています。したがって浴槽への影響と同様に、大部分の入浴剤は風呂釜等を傷めたり傷つけたりすることはありませんが、イオウ配合の入浴剤は循環式の風呂釜やパイプを腐食させる恐れがありますので注意を要します。また強制循環方式には循環途中にフィルターがセットされていますが、毛髪や汚れなどにより目づまりを生じ、湯の循環量が少ない為に炎が消えてしまうことがまれにありますので、充分水洗いをしてください。特に湯が濁るタイプの入浴剤では、風呂釜内部の湯垢等に濁り成分が一部付着して、循環孔から浴槽内へ出てくることがありますので、風呂釜内部や循環孔のフィルターをホースなどを使ってよく水洗いすることをお勧めします。
浴槽、風呂釜の取扱い説明書について
浴槽や風呂釜の使用上の注意として『強酸、強アルカリ洗剤及びイオウ分を含む入浴剤や温泉水は、浴槽、風呂釜の材質を劣化させ、寿命を損なうことがありますので使用しないでください。』の旨記載がありますが、現在市販されている入浴剤の大半は、使用時に酸性やアルカリ性にはなりません。したがって浴槽や風呂釜の材質を損なうことはありませんが、使用に際しては、入浴剤の商品パッケージに記載の注意事項をよく一読いただきご使用願います。
浴槽・風呂釜の苦情として、入浴剤が原因とされる誤認事例
●金属石鹸(石鹸かす)浴場施設への付着
| 状態 | 浴槽の縁、タイル表面や排水口に白い付着、固形物が発生。 |
| 原因 | 水質中のカルシウムイオンと脂肪酸(石鹸の成分、人間の体の皮脂)が結合し、石けんかす(白い付着物)が浴槽の縁、タイル表面に付着。→(写真1) セメント剤中のカルシウムイオンと脂肪酸(石鹸の成分、人間の体の皮脂)が結合し、石鹸かす(白い固形物)が排水口に固結。→(写真2) |
| 回復 | 付着後すぐならば、中性の浴槽洗浄剤で比較的楽に落せるが、乾くと浴槽・タイルなどの材質への付着力が強くなり、さらに石鹸かすの付着が重なると、材質に固着して容易に落としにくくなる。このような場合には、石鹸かすの成分を分解して落とす、酸性系の洗浄剤が必要。 |

図1
図2
●もらい錆による浴槽の染色
| 状態 | 浴槽の底に斑点状の錆が発生。 |
| 原因 | 貯水タンクや水道管からの鉄分の流出。 |
| 回復 | シュウ酸(蓚酸)をぬるま湯で約5%溶液に調製したものを直接もしくは、古衣料に浸し、錆部分に約20分接触。後に水洗いをする。 ※シュウ酸(蓚酸)は薬局にて販売。購入の際には印鑑が必要。 |
※防止策
鉄錆の除去が必要な為、水道の蛇口にフィルターまたはガーゼを取りつける。
●銅石鹸による浴槽の染色
| 状態 | アイボリー浴槽の喫水線付近にブルーの染着。 |
| 原因 | 銅イオンは、給湯器の熱交換器に銅が使用されている場合に水と共に流出する可能性がある。銅の水に対する溶出量は、井戸水など水源のpHが低い場合は多くなりやすい。 銅イオンが含まれた水に脂肪酸(石鹸、皮脂汚れ)が関与すると銅石鹸が生成される。一般には銅イオンは目立たないが銅石鹸になると青色を呈する。 |
| 回復 | アンモニア水(10%溶液)を古衣料などに浸し、染着部分をよく擦り落とす。その後、水洗いを行う。 ※アンモニア水は薬局にて販売。 |


